摩訶レコードブログ

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摩訶レコード:おさけ

今回の紹介物は、ジョージ山下とドライ・ボーンズの「おさけ」という曲。

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1966年のリリースです。
1年くらい前にヤフオク!で見かけた時、やたら高値が付いており断念。
悔しい思いをしていました。
ところが、先日の5月30日にアナログ・リイシュー。
価格は恐らく当時の3~4倍強なのでしょうが、これは嬉しかったです。
ただ、これも早くも市場から徐々に消えつつあるようなので、
欲しい方は見つけたら速攻で入手したほうが良いでしょう。

 

ジョージ山下とドライ・ボーンズですが、ムード歌謡のグループですかね。
僕は未聴ですが、香取美葉さんという方との「サッチョン・ブルース」
という曲もリリースされています。

 

作詞:くるみ広彰さん、作曲:くるみ敏弘さん。
ご兄弟でしょうか?

 

厳かな雅楽調のイントロから一転、「おさけ!」という突然の掛け声。
マンボ調かな?とも思いましたが、跳ねるパーカッションに当時のブームだった
テケテケのエレキギターと男性コーラスが加わる、GSラテンロックという感じ。
いやぁ、演奏が格好いいです。


おさけ!

ヤーヤヤヤーヤヤヤー
ボンボンボンボン ワワー

岩戸かぐらの時代から
神様たちも 喜んで
呑んだ水だよ おさけ!

ちょんまげ姿の侍も
チャンバラ忘れて これを呑み
天下泰平の夢を見た

おさけ!おさけ!おーさーけ
素晴らしい水だよ おーさーけ
キチガイ水だよ おーさーけ

 


あははは!
キチガイ水!!!

 

昔から俗語でお酒をキチガイ水と呼ぶ事もあるようですが、
(2007年7月に麻生太郎氏が『酒はきちがい水だとか皆が言うもんだから』とか
発言した事があったらしい。)
それを歌詞に入れちゃうセンスが素晴らしい!
とはいえ、暴飲しなきゃキチガイにはならないだろ、とも思いますが。。。

 

それにしても、この曲もそうですが、キチガイというパワーワードがあるからって、
素晴らしい曲達が放送禁止になっているのは悲しい限りですよ。


ちなみに「おさけ」。
以後いくつかのグループや歌手にカバーされたようで、
これもまだ僕は未聴なので、いつの日にか聴いてみたいです。

ブート盤に思う

今回は趣向を変えてブートレコード(ブート盤)について書きます。

 

僕がブート盤に初めて手を出したのは確か19歳の時だったかと思います。

僕は新潟市内の専門学校生で、年一回の国家試験を受けに
わざわざ上京するという機会があり、ついでにその頃は西新宿にあった
「新宿レコード」というお店に行きました。
今思えば、それが西新宿の輸入盤屋界隈への第一歩だったのですが。

初めての体験だったので気分も高揚していたのでしょう。
多分落ち着きも無く冷静な判断が出来ていなかったのだと思います。
2枚組のLPレコードが目に入り、見てみたら
オジー・オズボーンのライブ盤で、しかもギターはランディ・ローズです。

ジーとランディについてちょいとだけ説明しますと、
ジーという人はブラック・サバスというバンドのボーカリストだった人で、
脱退後にソロアルバムを出しました。
で、ランディという人はそのアルバムに参加したのですが(2枚)、
25歳という若さで飛行機事故で他界してしまいました。

当時はまだ、オジーとランディの組み合わせでのライブ盤というのは日本で
発売されていなかったし、2人でのライブ音源自体が存在するかも不明だったので、
『えぇっ!ライブ音源あるの?』
ってな具合で、これはもう今ここで買うしかない!と。
確か「プライベート盤」という札が貼ってあったような気がしますが、
試聴もせず、店員さんに『どういう意味ですか?』と聞く事もせずに購入決定。

価格は6000円くらいだったと思います。
苦学生にしては非常に痛い金額であり、『やたら高いなぁ』と思いましたが、
輸入盤屋で買う事自体が初めてだったので、
このくらいのものなのかな、と思ってしまった訳です。


で、新潟の自宅に戻ってワクワクしながら聴いてみましたら、

『なんじゃぁ、こりゃぁ!』

音は篭ってるし、音量も小さくなったり大きくなったり、観客の喋り声や喚き声や、
果ては録音者がビールでも飲んでいたのか、ゲップの音まで入っていました。

 

レコードのクレジットを見てみるけど、目にした事のない会社名です。

ここでようやく、プライベート盤=ブート盤という理解した訳です。

そのレコードはそれっきり聞く事はなく、
ジーとランディの組み合わせでの公式なライブ盤もリリースされたので、
何年かの後に処分しました。


これに懲りて、以降ブート盤には手を出す事はなかったのですが、
それから何年後かに新宿レコードの近くに「エアーズ」という
ブートビデオらを扱うお店が出現し、さらに購入前に試し見が可能でした。

店にはオジーとランディがスタジオライブをやったというブート盤ビデオがあり、
映像を試し見したら、驚く事に案外鮮明な映像でした。
(あくまでも、エロ裏ビデオと比較してのものです)
確か3000円くらいだったので即座に購入しました。


ここでようやく僕の中に、『ブートは悪いものばかりではないのかな』
という気持ちが芽生えたのです。
とはいえ、最近でもブート盤に手を出す機会は滅多にありませんが。

最近では録音技術も良くなってるし、さすがに酷い音質のブート盤は
そうそう出回ってはいないのでしょう。
塔レコードやディスク連合とかでも怪しげなCDが堂々と売られていますしね。

 

まぁ『売るのならせめて人並みに聞けるモノ売れ!』って感じですかね。

摩訶レコード:カングリ小唄

前回予告した通り、今回は小宮四郎安光さんの「東部警察防犯歌」のB面、
はやのみこみさんという方が歌う「カングリ小唄」という曲を紹介します。

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はやのさん、女性の芸人さんのようで、帽子芸で御馴染みだった
早野凡平さんのお弟子さんだそうです。
ウイキペディアだと、「カラフルな風呂敷で次々と色々な形を作る
風呂敷漫談を得意とし、必ず生まれて何年と年齢の鯖読みが入る」との事。
芸名の由来は、感のよさ、物事の飲み込みの良い所から、だとか。
現在は東京演芸協会の理事もされているようです。

 

このレコードにはキャッチコピーのようなものがあって、
「今年の忘年会はこれだ!!スレスレ、ニヤニヤ宴会ソングの決定盤!」
というもの。

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”スレスレ、ニヤニヤ”という事で、勘の良い方なら「エロソングか!?」と
薄々気付くと思われますが、その通りです。

 

たなかゆきをさん作詞、白石十四男さん作曲。

曲調は小唄というだけあって小唄ですが、三味線や太鼓が入るとかではなく、
比較的新しめな感じになっています。


たまには貴方 しましょうね
私もしたい いきたいわ
いいえ勘ぐる 話じゃないの
親の命日 墓参り
だってサだってサ 女だもン

たがいに強く 抱き合って
お乳を揉んで 吸わせたり
いいえ勘ぐる 話じゃないの
可愛い坊やと 添い寝なの
だってサだってサ 女だもン

痛さをこらえ はめたけど
やっぱり無理ね 抜けないわ
いいえ勘ぐる 話じゃないの
サイズ小さな この指輪
だってサだってサ 女だもン


と、こんな感じで、前半でニヤニヤさせておいて後半で「そういう事か」と思わせる
カングリ=勘ぐり、でのエロソング。
こういう所、いかにも昭和チックだなぁ。

 

という訳で、「東部警察防犯歌」と「カングリ小唄」とで、なかなか良い一枚です。

摩訶レコード:東部警察防犯歌

今回は、小宮四郎安光(こみやしろうやすみつ)という方の
「東部警察防犯歌」という曲を紹介します。

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ちょっとパパイヤ鈴木さんに似てるかな?

 

調べたところ、小宮さん、既に他界されていました。
福岡県大牟田市出身のシンガーソングライター。
21歳のとき歌手を目指して上京。スナックや歌謡教室を営みながら活動。
1990年にC型肝炎、1997年に肝がんを発病。
余命を告知された後、治療薬開発を支援するコンサートを企画。
1998年3月コンサート開催直前に他界、との事です。

 

同じ大牟田市出身に四郎国光という有名な刀匠(?)がいたようで、
芸名はそこから貰ったのではないでしょうか。

 

1981年のリリース。
作詞作曲も小宮さんご自身でされています。

曲調は明るいポップス。
問題は歌詞と歌い方なのですが、物語をメロディに乗せて軽快に延々と喋くる、
というもの。
歌というものではなく、まるでお経というかラップのような感じで、
聞いて僕は、RUN-D.M.C.AEROSMITHの「WALK THIS WAY」を思い出しました。
あれは1986年の発表ですから、小宮さんは5年も早かった訳です。

 

歌詞ですが、簡単に書くならば
逆ナンされた男がホテルでいい思いをしたけれど、
寝てる間に貰ったばかりのボーナス袋を取られてしまった。
皆さん気をつけましょう、というような内容。
なるほど、防犯歌ですね、というオチがあります。

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さて、このレコードはB面が異なる歌い手の曲となっており、
こちらのほうも結構興味深いものとなっていますので、
次回にでも紹介します。

摩訶レコード:行け柳田

今回紹介するのは、矢野顕子さんの「行け柳田」という曲。

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どういう表情なんだよ・・・

 

矢野さんのプロフィールは今更説明するまでもないでしょう。
シンガーソングライターでもあり、教授こと坂本龍一さんの
奥様でもあった方であります。

1977年にリリースした、矢野さんにとっての2作目のシングルEP。

 

ここで言う「柳田」ですが、現福岡ソフトバンクホークス
「ギータ」こと柳田悠岐選手ではあるわけがなく、
東京読売巨人軍の柳田真宏選手の事であります。
「巨人史上最強の5番打者」という異名があった選手で、
顔が毒蝮三太夫さんに似ているという理由で「マムシ」とも
呼ばれていました。

なんと本名は「柳田 俊郎」(やなぎだ としろう)だそうです。
これは知りませんでした。
ギバちゃんこと柳葉敏郎さんと間違えられるから?
な訳ないか。

 

矢野さん、そんな柳田選手をたいそうお気に入りだったのでしょう。
好き過ぎて仕方なかったんでしょうね。
柳田愛が溢れ過ぎてしまい、こともあろうに、その気持ちを
曲にしてしまいました。
しかもその曲、アルバムにこっそり入れるならまだしも、
シングルレコードとしてリリースしてしまうのですから。
しかも2作目ですよ、2作目!
これはもう、矢野さんから柳田選手への求愛、公開プロポーズ、
とも言って良いかと思います。
(当時の矢野さんは矢野誠さんという方の奥様でしたが)


もちろん作詞作曲は矢野顕子さんご自身。


さぁさ そろそろ 始まる時間
コップ片手に ラジオの前へ
さぁさ そろそろ 仕事もやめて
今日のオーダー どんなかな?

行け柳田 行け柳田
行け柳田 行け長嶋
行け読売 ジャイアン

一番柴田 二番に高田
三番張本 四番に王
五番柳田 六番土井
七番河埜に 八番吉田

行け柳田 行け柳田
行け柳田 行け長嶋
行け読売 ジャイアン

 

こんな歌詞。
柳田選手個人じゃなく、当時の読売巨人軍の応援歌ですね。
でも、この頃って助っ人の外人選手はいなかったんだったかなぁ?

 

矢野さんの事はあまり詳しく知らなくて恐縮ですが、
この時点で既に矢野ワールドが確立されたような曲調かと思います。


ちなみに柳田真宏さんも歌がお上手で、演歌歌手として
何枚かのレコードをリリースしています。

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角刈りが見事ですね。

2018年5月のリフレッシュ日

いつかのブログで、「一ヶ月に一回はリフレッシュで心の底から楽しめる一日を」
というような事を書きましたが、
今月は昨日がそのリフレッシュ日で、またまた東京へライブを見に行ってきました。

見たのはイタリアのプログレッシヴ・ロックのバンド、バロック・プロジェクト
(BAROCK PROJECT)

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奮発しまして、VIPパッケージというチケットです。
これはちょっと割高ではあるのですが、そのぶん特典付きのチケットになります。
特典内容は、
1.2階の指定席で座って見れる。(VIP以外はスタンディング)
2.メンバー全員のサイン付きポスターが貰える。
3.メンバーと撮影できる。(プロカメラマンによる)
というもの。

 

肝心のライブのほうは、これはこれは素晴らしいもの。
予定外でアンコールを2回もやってくれたし。
今年見たライブ(と言ってもまだ4つ目だけど)の中でもベスト候補ですね。

 

メンバーとの撮影は、ライブが終わってからです。
撮影以外でも、ちょっとだけなら会話が出来ました。

メンバーはイタリア人ですが、英語も話せるので会話は英語となります。
とはいえ、僕はそれほど英語に堪能ではありません。
中2レベル、と言っていいでしょう。
おまけにこういう場では緊張するタイプなので、小声になってしまうんですよね。

ところが思いもかけない嬉しい結果になりました。
こんな感じ。

 

僕: 『こんばんは。素晴らしいショウだったよ。ありがとう。』
メ: 『どういたしまして。』
僕: 『僕は某SNSで君達をフォローしているよ。僕の名前は●●だよ。』
メ: 『おおお!●●かよ!うわー、逢えて嬉しいよ!!ありがとうね!!!』

 

いやぁ~、幸せでした。
天にも昇る、って感じ。
SNSでは頻繁にではなく、たまにメッセージを書いたりしてるだけなのに。
みんな気さくで凄く良い人達でした。
(まぁイタリア人だからかもですが)


ちなみに来月のリフレッシュ日ですが、今の所は何も無いんです。
何しようかなぁ? 

摩訶レコード:トマト女房

今回紹介するのは、三好とまとさんという方の「トマト女房」という曲。

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三好とまとさん、検索したけど情報が出てきません。
まぁ、さすがに本名じゃないでしょう。
パパイヤ鈴木さんや吉本ばななさんのように、果物を名前に入れる方は
少なからずもいらっしゃいますが、三好さんのように野菜を入れた方って、
つまみ枝豆さんくらいしか思いつかないので、
そういう面では、たけし軍団的ネーミングですね、と。

 

この曲は、鳥井実さんという方の作詞家生活25周年記念作品です。
鳥井さん、有名な所では芦屋雁之助さんの「娘よ」を作詞されています。
曲調は宮下健治さんという方の作曲の演歌です。

「トマト女房」という曲名は印象的ですが、
歌詞は『あ、そういう意味でのトマトか』と、まぁ納得できるものだと思います。

 

苦労ばかりで すまないなんて
あなたの口から 言わないで
酸いも甘いもあるから いいじゃない
いつも笑顔と 優しさそして
みずみずしさを 忘れない
幸せたっぷり
トマトみたいな 女房でいたい

いつも新鮮 まろやかそして
朝露ふくみ もぎたて
幸せたっぷり
トマトみたいな 女房でいたい

いつも色よく ツヤツヤそして
あなたにそっと 見つめられ
幸せたっぷり
トマトみたいな 女房でいたい


三好さんの歌唱方法は、”しっとり系”とでも表現すれば良いでしょうか。

1989年にリバスター音産という会社からの発売、販売元はポニーキャニオン
僕が持っているのはEPレコードやCDではなくシングルカセットですが、
このあたりは演歌らしい売り方だと思いますね。