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摩訶レコード:お嬢様ルンバ

以前、「元祖だんご4兄弟」の紹介の時に書きましたが、
大ヒット曲が出たり話題になる曲があったりすると、
それに乗っかったりマネしたりと、柳の下のドジョウを狙って
似たような曲を乱発する事は良くある傾向ですね。

今回紹介するのも、「元祖だんご4兄弟」とはタイプは異なるけど、思わず
やりやがったな!』と言わずにはいられない曲です。
加川明さんの「お嬢様ルンバ」という曲です。

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加川明さんを調べてみたのですが、元々は「スター誕生」の出身で
最初の歌手名は川崎公明(かわさき きみあき)。

その名前、僕は良く覚えていました。
というのは、日テレのオーディション番組「スター誕生」は、番組で合格して
レコードデビューした歌手を、一ヶ月くらいの間に集中的に出演させる、
という慣例みたいなものがありました。

川崎さんもその例により、デビュー曲の「ひとりにしてくれ」を
毎週のように歌っており、それを僕は嫌でも聞いて覚えてしまいました。

ひとりにしてくれ ひとりにしてくれ わいわい 言わないでくれ

という歌詞だったと思います。

その頃は『鉄砲玉かよ』っていうような男っぽさがありましたね。

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その後に紆余曲折あり、京壮亮(きょう まさあき)→加川明(かがわ あきら)と改名。
この「お嬢様ルンバ」は、加川明名義での3枚目のCDシングルです。

 

作詞が上田紅葉さん、作曲と編曲が馬飼野康二さん。

曲が始まった瞬間、『ん?これは・・・』と思いました。


台詞から曲は始まるのですが、

65歳以上のお嬢様 ご機嫌いかがでしょうか。
若返り党の 加川明でございます。
この高齢化社会を強く明るく生き抜く為には何よりも健康、
心と体の強化でございます!

 

これだけで7割方は『ん?これって、あの人の芸風・・・』と、ピンと来ます。


潤んだ瞳 魅力的なあなた
輝く金歯 乙女心は永遠
僕の目には 今も 今も あなた
憧れのプリンセス My Lady!

軽やかに ジジババ ルンバ お元気ルンバ
腰揺らし ビビンバ ルンバ お元気ルンバ
毎日!!
ラリルレ リリレロ ラリルレ リリレロ
踊りましょう
お嬢様 ルンバ


中間部にも台詞はあります。


お嬢様方どうぞ、今夜うちに帰ったら
ご亭主の手を強く強く握って下さい。
何を今更、なんて思っちゃいけません。
握力の強化訓練でございます。
強く握って離す・・・
(中略)
目の前にある物体を無駄なく有効活用してこそ
誠の夫婦愛でございます。


もうほとんどの方がお気付きだと思います。
思いっきり、綾小路きみまろさんの芸風に寄せてますね。
あははは、いいのかよ!
歌詞や曲を似せるんじゃなくて、歌い方というか芸を似せる方式。
なるほど!そういうやり方で来たか!って感心しました。

もし突っ込まれた場合、加川さん、
いや、きみまろさんは歌ってないけど、俺は歌ってるし!』って
しらばっくれるかなぁ?


とはいえ、僕も思いました。
川崎公明時代から演歌一筋で約30年の加川さん。
いや、多分これは加川さんが本心ではやりたい事じゃない。
本当は歌いたくはないんだろうけど、レコード会社との
大人の事情とかで、こんな格好して渋々歌っているんだ・・・』と。

ところがカップリング曲を見て仰天。

 

町内のしきりババア
作詞作曲:加川明

 

加川さんの渾身の歌詞がこちら

 

自転車のケツに箱を付けて町内を走り回る
誰が名付けたか どこから来るのか
町内のしきりババア
髪は逆立ち顔は黒ずみ 化粧など似合わない
もんぺズボンがとにかく似合うよ
町内のしきりババア
(中略)
自転車こぎこぎ鼻歌まじりの
町内のしきりババア

 


ノリノリじゃねーか!!

 


本人、事務所、レコード会社の願い叶わず、
残念ながら大ヒットには恵まれませんでした。
これに懲りたのか、再び演歌路線に戻ったようですね。

そんな加川さん、来年でプロ歌手生活40周年を迎えます。
なんとかひと花咲かせて頂きたいものです。