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摩訶レコード:おしんの子守唄

先日NHK-BSプレミアムで、朝の連続テレビ小説おしん」の
総集編の放送をやっていました。
それを見て思い出した曲を今回は取り上げます。
金沢明子さんの「おしんの子守唄」です。

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ジャケットの題字を、原作者の橋田壽賀子ご本人が書いています。
ご丁寧に右下に判が押されていますね。

 

NHKから許可が得られなく、写真が使えなかったのでしょうか?
宗美智子さんという方によって描かれた漫画が使われています。
やたら美化されているように思えますが・・・
ちっとも不幸な感じに見えません。

 

作詞も橋田さんご自身が行っており、作曲家は遠藤実さん。


話は逸れますが、実は僕の亡くなった父親は歌が上手く、
若い時に遠藤実さんにスカウトされた事があって、『東京に出て来い』と
言われた事があったそうです。
家出しようとした時に義姉に見つかってしまい、泣く泣く断念したとか。

形は違えど、その何十年後に息子の僕が
TBSラジオの番組に出演できた訳ですから、
『親父やったぜ!仇は取ったぞ!』って具合ですかね。


話を戻します。
歌っているのは金沢明子さん。
目の前のローソクの火を消す事なく、歌う事が出来る方ですね。
元々は民謡歌手ですが、「イエローサブマリン音頭」や「タケチャンマン音頭」など
”民謡”という枠を超えた歌も歌っていた方です。


曲調ですが、民謡寄りの演歌です。
序盤のほうは割と明るめなのですが、途中で転調し、一気に悲くなります。
「子守唄」なはずですが、これでは子供はとても眠れないでしょ。


冷たい川を 上ってゆけば
近くて遠い ふるさとよ
大根めしを 食べてても
囲炉裏の明かりが 暖かい
山の家 山の家 帰りたい

春が来なけりゃ 年期があけぬ
おしん 哀しや 小さな肩に
おぼこが重い

「かあちゃーん! 婆(ばん)ちゃーん!」

吹雪の雪山(やま)を 登ってゆけば
兄(あん)ちゃん恋しい 泣けてくる
人を憎むな 死なすなと
やさしく強く 云ったのに
白雪が 白雪が 血に染まる

「兄ちゃーん 爺(ぢん)ちゃーん!」

 


繰り返しますが、子供を寝かしつける時に歌う「子守唄」なはず。
なのに、「血に染まる」って。
寝ても悪夢見ますよ。
うなされますよ。


B面の「おしん音頭」は、音頭らしい明るいもの。
こちらも橋田&遠藤の作詞作曲です。
歌詞のほうが案外厳しめというか、
豊かで食べるものにも困らなくなった日本に対して、
「昔を思い出せ」と注意を払っているようにも思えます。