今回は坂上二郎さんの「ワンナイト新宿」を紹介します。
故・坂上二郎さんは、欽ちゃんこと萩本欽一さんとコント55号を組んで、
70年代のお笑いシーンをリードした方であります。
片岡鶴太郎さんの「飛びます飛びます」や「小太郎ネ!」のモノマネも御馴染み。
役者面では「夜明けの刑事」「明日の刑事」などの刑事ドラマの主役も務めて、
80年代には「スクールウォーズ」で建設会社の社長として良い味出してました。
二郎さんは、実は僕が初めてファンレターを出そうと思ったタレントです。
小学校1年の頃だったと思うのですが、2つ上の姉貴が歌手の誰かに
ファンレターを書くとかで、それをマネして『なら俺も書こう』という事になり、
誰宛にしようかと考えてたら、そこまで二郎さんを好きではなかったのですが、
たまたま何かの雑誌に二郎さんの事務所の住所が載っていたから、
だったと記憶しています。
(実際は出さなかったけど)
これは1970年のリリースで、二郎さんのデビューシングルです。
僕のこの歌を聞くまでの二郎さんのイメージは、コントで欽ちゃんにドツかれても、
ヘラヘラニコニコしてる掴み所の無い芸人さん、または、
前出の「夜明けの刑事」での朴訥で人情のあるキャラ、だったりするのですが、
聞いてみて、こんな二郎さんの一面があったのか!?と驚いてしまいました。
まさに、『僕達はジローを知らなすぎた』という具合であります。
作詞:橋本淳、作曲:大木恭敬、編曲:森岡賢一郎。
演奏をシャルル・オンブル、という楽団が務めています。
二郎さんは歌唱力や歌い回しには定評があり、この歌もそれが生かされたもの。
曲調はスロー・グルーヴ・ロックという感じかな。
もうちょっとテンポが速ければ凄く格好良い仕上がりになったと思うのです。
どうしてこんなに 淋しいの
夜がこなけりゃ 幸せなのに
ワンナイト 新宿
孤独な人が 集まって
蝶々のように 踊っているよ
ワンナイト 新宿
愛は短い 夢だから
名前も告げず 告げないで
なぐさめあうんだ 君と僕
どうして泣くのと 聞かれたら
涙でひらく 恋もあるのさ
ワンナイト 新宿
とにかく、二郎さんのワンナイトの歌い回しが強烈で、
『ワンナイ!』、『ワンナイッ!』、『ワンナイッ、ィャァ』と
やたらカッチョエエ~なのであります。
後半では二郎さんも歌いながらノってきたのか、ちょっとだけ
べらんめぇ調でワイルドな歌い方になっているような気がします。
僕は二郎さんのシングルを全部は聞いてないので、もしも
この「ワンナイト新宿」のような曲が他にあるのなら聞いてみたいですね。