摩訶レコードブログ

摩訶レコードbot(Twitter)のブログです。

摩訶レコード:人間狩り

今回はピーターさん(池畑慎之介さん)の「人間狩り」を取り上げます。

f:id:Baka_Records:20200913193725j:plain



「人間狩り」。
衝撃的な曲名です。
このような曲名がしっくりくる歌手は、他には美川憲一さんくらいしか
思い浮かびません(深い意味は無し)。

 

1974年のリリース。
ピーターさんにとって13枚目のシングル。
西洋では不吉な数字とされる「13」枚目のシングルというのがなかなか。

 

作詞:なかにし礼さん、作曲:馬飼野康二さん。
なかにし礼さんは、デビュー曲である「夜と朝のあいだに」も手掛けており、
ピーターさんをお気に入りだったようで、アルバム「失われた神話」の中で
『今まで眠っていた僕の中の感覚と情緒と、ある種の知性が解放され、
僕は珍しい感興の時を得た』と、一文を捧げているそうです。

 

1974年という事を考えれば、進んでるというか新しいサウンド(特にイントロ)
だと僕は思います。
スローな曲調から始まり、バックにはシンセが流れ、アップテンポになって、
やがてまたスローに戻って行く、という曲調。
ドラマティックですね。
これでもっとオペラティックであれば、初期のクイーンにも通じるかも。

 

歌い出しのピーターさんの声の低いこと低いこと。
先頃亡くなった渡哲也さんの「日暮れ坂」でも渡さんの声が『低っ!』ですが、
ピーターさんの低音も負けていません。
現代のJ-POP界はとかく高音ボーカルが持てはやされがちですが、
この低音はよりピーターさんの妖艶さが引き立っていいですね。
誰かが言っていましたが、低音ボーカルには聴き手の心を落ち着かせる
効果があるそうです。

 

歌詞は、化粧をして着飾って一夜の恋を求めて夜の街へ、というものですが、
「人間狩り」という衝撃的な曲名を当てたのは、より肉欲的な意味を
持たせたかったのでしょうか?
とにかく、流石だと思うのです。