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摩訶レコード:俺はKYワカマツだ 檄

今回紹介するのは、1980年代の新日本プロレス

悪役マネージャーとして活躍していた若松市政さんの

「俺はKYワカマツだ 檄」です。

 

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プロレス関係のレコードにはなぜか常識の範疇では語れない作品が多く、

このレコードも例外でありません。

というか、僕的に5本の指に入る作品かと思います。

歌い手、曲名、ジャケット、内容、どれも非の打ち所がありません。

 

僕は若松さんの登場をリアルタイムで体験した世代ですが、

悪役マネージャーとしてはかなり異色な存在でしたね。

山高帽にオモチャのようなグラサンで白や赤の民族衣装のような服で

鞭と拡声器持って試合中も大声でガナっているのですから、

レスラー以上に目立ったキャラクターでした。

 

そんな悪役マネージャーがレコードを出すというのは

当時では(現在も)画期的かつ革新的でした。

それは若松さんの言動がコミカルで愛嬌があり、

(ご本人はそのつもりは全く無いだろうけど)

それまでの悪役のイメージを覆した愛される存在であったから

という理由があると思います。

 

曲調はビートの効いた打ち込み音楽っぽいもの。

演奏はアフリカというグループなのですが、

実は有名ミュージシャンの集まりという説もあります。

 

歌詞(と言えるのか)ですが、歌詞カードがありません。

元々付いていないようです。

しゃがれ声で大声でガナっているので何を言ってるのかはっきり判りませんが、

一部を抜き出してみると

 

このいじめっ子どもが!

どいつもこいつもケツの穴の小さい雑魚ばかりだ!

ぞろぞろ群ればかり作りやがって!

一人じゃ何もできないのか!

女の腐ったような格好しやがって、それでも貴様、日本男児か!?

若者よ!ボーイズビーアンビシャスの精神だ!

てめぇら、何を信じて生きているんだ?金か?女か?

俺様みたいなご立派な大人になりたくねぇのか!?

ご立派!ご立派!ご立派!ワハハハハ!

 

という具合で、社会や若者をdisって自分をageる

「檄」という名のアジテーションであり説教のような内容。

リリ-スが、尾崎豊の「卒業」がリリースされた年の同じ1985年。

若松さんなりの社会へ向けたメッセージソング(歌じゃないけど)

なのでしょう。

さらに、その頃はまだラップは日本で浸透していなかったので

登場するのが早すぎたJ-RAP」と言う方もいます。

 

B面は、若松さん自らが率いたマシーン軍団の応援曲で、

「ストロングマシーン We are No.1」。

カエレ!カエレ!の観客からの帰れコールの実況音から始まります。

これも演奏は打ち込み。

 

ストロングマシーン! We are ナンバーワーン!

ストロングマシーン! We are ナンバーワーン!

ゴー!マシーン!ゴー!

ゴー!マシーン!ゴー!

 

これを若松さんがただただ連呼し、後ろでは知らない外人が

ラップで何やら歌っているというシロモノ。

若松さん、最初は威勢がいいけど、後半になると気のせいか

テンションが落ち気味。

さすがに3分以上に渡る大声での連呼には疲れたんだろうなぁ、と。。。