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摩訶レコード:ライオン丸のバラード・ロック

今回は特撮もので、70年代に放送された
快傑ライオン丸」の主題歌でもエンディング曲でもなく、
挿入歌である「ライオン丸のバラード・ロック」という曲を
紹介します。

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バラード・ロック。
僕は即、エアロスミスボン・ジョヴィデフ・レパード
MR.BIGやナイト・レンジャーあたりのバンドが得意とする、
バラード曲のようなものを連想しました。

歌い手は子門真人さん。
特撮ものやアニメソングのプロですね。
この曲には串田アキラさんバージョンもあるようなのですが、
世代的に僕は子門さんのほうがしっくり来ますね。


しのだとみお、という方が作詞をされていますが、
1番の冒頭で心を鷲掴みにされました。


今日、お師匠様が死んだ。


獅子丸(ライオン丸)の師匠、いきなりの死。
しかも今日。
本日命日。

ザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」の
『オラは死んじまっただー』や、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」の
『ママ、たった今、人を殺しちゃった』や、
杉良太郎の「君は人の為に死ねるか」の『昨日、一人の男が死んだ』に
匹敵するインパクトだと思います。


その他、歌詞全部は載せられないので一部抜粋しますが、
3番まであります。

<1番>
昨日、お師匠様が死んだ。
今日、ドクロが襲ってくる。
明日、また雲がちぎれ、3人に吹く風は牙を剥くだろう。

<2番>
昨日、森の小鳥が死んだ。
今日、ドクロが切りつける。
明日、また嵐が襲い、3人が住む小屋は壊されるだろう。

<3番>
昨日、小助が傷を受けた。
今日、沙織が捕らわれた。
明日、またゴースンが来て、獅子丸に戦いの剣を向けるだろう。


いい出来事がひとつもない。

この物語は、獅子丸(ライオン丸)と仲間の沙織と小助が
諸国を行脚しながら悪と戦う、というものなのですが、
例えば行く先々での風景が綺麗だった、食べ物が美味しかった、
村の人々に優しくしてもらった、というような
ちょっとした良い出来事もあるのでしょうけど、
そういう事が一切歌詞として無く、とにかく毎日災難続き。
ネガティヴ・・・

悪い奴が襲ってきて受ける不幸ならまぁまぁ納得できるけど、
小鳥が死んだり嵐が襲ってきて小屋が壊されるとかの不幸って
いわば天災みたいなもので、つくづく運がないというか、
『こいつ、ヒーローなのにこの運の無さでいいのか?』とさえ思えます。

しかも『だろう』って、天気予報ならぬ不幸予報までしてしまう始末。
そこまでマイナス思考に捉われているのかよ、と心配してしまうのです。


とはいえ、ここまで紹介した歌詞は前半部分で、
歌詞後半は決意新たに、朝日に向かって進むとか日本を守るとか宣言しているので、
歌詞前半がバラード、歌詞後半がロックと捉えれば、
「バラード・ロック」というタイトルにも納得が行くのですが。

快傑ライオン丸関係の歌には他に、
「ぼくは小助だ」や「わたしは沙織と申します」といった
曲名だけなら『おっ!?』と興味を惹かれたものもあったのですが、
歌詞を調べてみたら今一つピンと来ませんでした。