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摩訶レコード:お湯をかけたら/米パン大戦争

今回はEPレコードのA面とB面ともに摩訶な曲という、
コストパフォーマンスに優れたレコード。
藤本房子さんが歌う「お湯をかけたら/米パン大戦争」です。

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ジャケットの絵の、”丁度いい手抜き加減”が良いですね。

 

1976年のリリース。
藤本さんは数々のCMソングや、アニメ番組の「パタリロ!」の主題歌を
歌っていた、なかなか特徴的で可愛い声を持った方です。

 

まずはA面の「お湯をかけたら」。
作詞:関沢新一さん。作曲と編曲:はやしこばさん。

オカリナのイントロから始まり、悲しげな雰囲気をも感じる曲調。

 


お湯をかけたら なんでも出来る
べんりな時代になりました
お湯をかけたら 朝飯できた
お湯をかけたら ばんめし出来た

父さん会社へ ヤカンを下げて
満員電車で御出勤
お湯をかけたら 月給袋
お湯をかけたら ボーナス出たよ

お湯をかけたら なんでも出来る
うそか本当か知らないが
お湯をかけなきゃ 損するみたい
ああうらやましい 日本の国は

 


ブレッスン・フォーという男性グループの
「ジャージャジャジャジャー」(お湯だけに)というコーラスも入っていて
最後は序盤の静けさを忘れたような盛り上がり方で曲は終わります。

 

1976年頃は、既にインスタント食品が当たり前の世の中になっていて、
誰でも・手間を掛けないで簡単に・素早く、という事が
重要視され始めた頃かと思います。
そんな世の中の傾向を皮肉ったような歌、と思えますね。

 

B面は「米パン大戦争」。
A面と同じく、作詞:関沢新一さん。作曲と編曲:はやしこばさん。

 

こちらは、うって変わってコミカルな感じ。
大仰なイントロから始まって、コミカルな効果音で作られた主旋律に
藤本さんの愉快な歌声が響きます。
この頃は日本の家庭の朝食が米食中心からパン食も増えてきた頃で
それに合わせてのリリースなのかな?とも思います。

 


父さん御飯が 大好きで
母さんパンしか 食べません
毎朝毎晩 お膳の上で
はじまる米パン大戦争

父さん御飯を てんこ盛り
みそ汁 塩鮭 したがえて
たくあん パリパリ いい味してる
知らない母さん お気の毒

番茶をすするは お父さん
コーヒー飲むのは お母さん
僕はどうする 決まっています
こづかい次第で ございます

あるとき二人に おこづかい
貰った時には 大変だ
僕の小さな お腹の中は
米米パンパン 大戦争

 


最後にチキチキバンバンの如く、米米パンパン米パンパン!
焼けくそに繰り返してるのですが
「世界一どうでもいい戦争」という思いがします。

 

朝ドラの「ひよっこ」で、ヒロインの友人の男の子(みつお)が、
高校を卒業して東京に上京してきて米屋で働くのですが、
その店の主人と娘が毎朝こんな感じで米食とパン食で言い争ってたのを見て、
いつもこの歌を思い出していました。