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摩訶レコード:舎弟(おとうと)

今回は日本を代表する俳優であった、故高倉健さんの
日本海」というシングルレコードのB面に収録されている
「舎弟(おとうと)」を紹介します。

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1979年のリリース。
薬師丸ひろ子さんと映画「野性の証明」で共演した後ですね。

 

これは歌モノではなく、語りモノ。
スローなBGM(エレピ?)をバックにしての、健さんの独り語りです。
「舎弟」ってくらいですから、語りの相手は弟分って設定でしょう。


やることなすこと 青臭かったなぁ。
目を輝かせて、熱っぽく俺にぶつかってきた。

忘れかけてた情熱ってやつを、お前は俺に気付かせてくれた。
そのあたりからだったよ、なんとなくお前の事が
胸のあたりに引っ掛かるようになったのは。

ぶつかってくるお前が、俺にはズシリと堪えるようになった。
やもすると、俺のほうがグラついてしまうほどだったなぁ。

やがてお前は、俺の心の中に すっかり入り込んでしまっていた。
男が男に惚れたってやつ。


名月赤城山兄弟仁義か、って具合ですが、
しかし僕、なんとなくですがケツのあたりがモゾモゾしております。
どうにも『え?まさかソッチ系?』とも思えてしまいがち。
そもそも健さんには●●疑惑もあったくらいですから・・・


しかし、女にだけはだらしがなかったなぁお前。
お前みてるとまるで、俺は鏡を見るような気がした。


この台詞で、いちおうソッチでは無いかな、と疑惑が払拭。
ちょっとだけ安心。僕も反省。
で、この辺りから物語が急展開します。


なぁ、どうした?
話してくれよ
一体どうしたと言うんだ? 何がお前に起こったんだ?

どうして俺に言えないんだ?
おい、言えよ! 話せよ!
何が原因なんだよ!
この俺に話せない事って、一体何なんだよ!


弟分の身に何かが起こった様子。
健さんの語り口調は徐々に熱が入ります。


ちっきしょう!
どうして早まったことしてくれたんだよ!
生きることに疲れたなんてそんなキザ言わせねぇぞ!


どうやら弟分は亡くなったようで、しかも「生きることに疲れた」って事で、
自害なのでしょうね。
アニキが弟分の墓前で語っている、という光景が目に浮かぶのです。


最後に青臭いことしやがって・・・
勝手にしろ!
涙なんてもったいなくて流せねぇよ!
ばかやろう・・・大バカもんだよ、お前は!!


もうね、健さんの本気度が凄くて、ションベンちびっちゃう程。
とても笑ってなんかいられないド迫力。
さすが名優。
正直、おちゃらけてすみませんでしたって、思わず襟を正してしまいます。
いやぁ、素晴らしい。

 

海だ。
お前の好きな 波の音ききながら ゆっくり休め。
俺はまだ しばらくは生きてみるさ。


健さんの口調も落ち着きを取り戻し、波の音が流れてのEND。
まるで一本の短編映画を見たような感覚になるのでした。