普段はEPレコードやシングルCDばかりを紹介していますが、
今回は珍しくLPレコードを取り上げてみます。
いつもは音楽を評論する立場の方々(音楽評論家)が
逆に自分達でロックのレコードを作っちゃいました、という企画盤。
Do It OURSELVESというユニットの「評論家ロック」です。
鈴木慶一&近田春夫プロデュースという力の入れよう。
参加されている評論家の方々は4人。
A面5曲、B面5曲が収録されており、それぞれ
(A面)
1:吸血鬼伝説/伊藤政則
2:海にとけこんで/伊藤政則
3:シェイプ・アップ/森直也
4:ニードフル・パワー/森直也
5:What Is It/オールスター
(B面)
1:ビッグ・シティ/大貫憲章
2:ドリーム/大貫憲章
3:陸羽茶室/小倉エージ
4:香港功夫/小倉エージ
5:Now Is The Time/オールスター
となっています。
伊藤さんは後で述べるとして、それぞれの方を聴いた感想としては
<大貫さん>
いかにも大貫さんらしいといった感じの、パンク・ニューウェイヴ風。
ピストルズ+ストラングラーズ?っぽいかなぁと思いました。
<森さん>
森さんの事は全く存知上げておらず、検索してみても何も出てきません。
歌ってるのは女性で森悦子さんという方のようですが、
奥さんなのか親族なのか?も謎です。
ん~、タイプ的にはニューウェイヴなのかなぁ?
<小倉さん>
この方も名前だけは聞いた事あるけど、あまり良く存知上げておりません。
陸羽茶室では中国語で歌っています。
初期YMOの中国的な部分を意識してるのかしら?
全体的には、プロデューサーの近田さん色が強い気がしますね。
で、ハードロック/ヘヴィメタル畑の僕的には、このレコードの目玉は何といっても
”日本のメタル・ゴッド”、伊藤政則さん参加の2曲です。
若き日の伊藤先生、皮ジャン、皮パン&ロンドンブーツがグッときますね。
「吸血鬼伝説」
「海にとけこんで」
もう曲名だけでワクワクします。
吸血鬼伝説ですから!
あははは!
その「吸血鬼伝説」。
早速針を落として聴いてみますが、
いきなりの雷鳴音。Thin Lizzyの「Thunder And Lightning」みたい。
ストレートなハードロック全開でカッコイイです。
UFOの「Lights Out」やLAZYの「Dreamer」を彷彿させますね。
伊藤先生の歌声も決して下手ではありません。
伊藤さん自ら歌詞の一部を抜粋してみると、
古城の地下室 朽ちた棺に甦る
不敵な微笑み 浮かべてお前は いま目を覚ます
命の渇きを癒す 今宵の獲物は
ブロンド娘の 汚れなき生血
甘いエロスが漂う わななく吐息の
ブロンド娘に 突き刺す牙
吸血鬼伝説 時を越えて今も息ずく
この何年か後にリリースされる聖飢魔Ⅱの「蝋人形の館」っぽい歌詞。
バックでは「ドラキュラ~」という声も聞こえ、なかなか凝ってます。
ギター(高津昌之さん)も頑張ってますね。
「海にとけこんで」のほうは明るめのバラード。
Motley CrueのTime For Changeあたりが思い起こされます。
伊藤さんはこちらのほうがお気に入りのようです。
中間部のギターソロは、「マイケルシェンカーっぽくしてくれ」と
伊藤先生が依頼したのだとか。
最後に、このLPには森さん以外のコメントが掲載されているのですが
伊藤先生のコメントを。
ええええええええ!
何と伊藤先生、若い頃はライヴもやってたんですかぁ!!
しかもフェスに参加って!!
驚きです。存じ上げませんでした、って、
これ、伊藤先生のジョークなのかなぁ?・・・
僕は毎週伊藤先生のラジオを聴いていますが、触れた事ないなぁ。
やはり黒歴史なのでしょうかね?