摩訶レコードブログ

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追悼、西城秀樹さん

今日の午後、西城秀樹さんの訃報を知りました。

数年前に脳梗塞で倒れた事は知っていましたが、
その後は回復に向かっていたようだったので、
まさか!?と驚きました。

 

西城さんは僕が物心ついた時には既にスターで、
男性歌手では初めてカッコいい!と思った歌手です。

歌声もさることながら、やはりダイナミックなアクションですよね。
あの頃はあんなに激しく踊りながら歌う人なんて
ほとんどいなかったと記憶しています。
それでいて音程も外さないのですから、大したものです。

その頃はまだ「ロック歌手」なんて意識は僕の中には無かったですが、
今にして思えば、僕が初めて体験したロック歌手なのかもしれません。
衣装からして、いかにもロック歌手って感じでしたよね。

 

印象深い曲は、阿久悠さん作詞、三木たかしさん作曲の「ジャガー」ですかね。
曲中の台詞、『君が死んだら俺も死ぬ、でも俺が死んでも君は死ぬな。
なんて哲学的なのでしょう。
「薔薇の鎖」も、タイトルからしてカッコいい。
勿論、「ブーメランストリート」も「ギャランドゥ」も。
ハードロックファンには御馴染みの「ナイトゲームス」も。

 

今思い出しましたが、生放送の歌番組「ザ・ベストテン」で、
「炎」という曲がランクインした際に、どういういきさつか判らないのですが、
曲の途中で西城さんが素手で氷柱を叩き割るという演出があって、
見事に割った事は割ったのですが、西城さんの手から血が流れてるのが
ばっちり映ってしまったという出来事があったと思います。

 

ハードロックやヘヴィメタルがお好きだったようで、
確かW.A.S.P.というバンドのライブに行って、ドラムのスティックをゲットした、と
雑誌で読んだ記憶があります。

70年代だったからソロ歌手でのデビューだったけど、現在だとするなら
西城さん、メタルバンドでデビューするんじゃないかなぁ、なんて勝手に妄想します。


心よりお悔やみを申し上げます。

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摩訶レコード:惚れたぜライオンズ

今回紹介するものはプロ野球もの。
現在の埼玉西武ライオンズの二代前の球団である
太平洋クラブライオンズの応援歌、「惚れたぜライオンズ」という曲。
歌っているのは中村基樹という方です。

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ライオンズの当時の中心選手は、東尾修加藤初土井正博白仁天ら。
僕がようやく”野球”というもの自体を意識し始めた頃なので、
その頃の野球事情はほとんど覚えていません。

歌っている中村さんは福岡県を拠点に活躍するフリーアナウンサー
RKB毎日放送アナウンサーで写真家でもあるそうです。
当時のライオンズは福岡市が拠点だったので、なるほど中村さんが
歌ったのも理解できます。

作詞が本間繫義さん。作曲が高田勝さん。

曲調は明るい音頭調です。
レコードには踊りの振り付けの解説が付属しています。
此の曲は軽快にライオンズの士気を鼓舞する意味で胸を張って
元気いっぱいに踊って下さい
だそうです。

 

歌詞がやたら強烈というか暴力的で殺伐としています。


ロッテ、阪急、叩いて潰せ
どんと一発 殴り込み

腕は自慢の殺人パンチ
焼いて食べよか 日本ハム

倒せ蹴落とせ 南海野郎
来るか近鉄 血祭りだ


おいおい、暴力団じゃないんだから。
殴り込みとか血祭りはやばいだろ、って。
ていうか、この歌詞じゃ踊れないよ!


さらに


酒にマージャン たばこもやめた
晴れてペナント 握るまで


いやいや、にわかに信じられませんが。
「試合中の」、って事なら判りますけど。

 

ちなみに東尾さん、後にマージャン賭博で書類送検されていますけどね。
あははは。
やっぱりやめてなかったじゃん!

摩訶レコード:イタリアのしつらい

突然ですが、皆さんはNHK連続テレビ小説=朝ドラは見ていますか?
僕は昔に出勤前にたまたまNHK-BSで放送してた「オードリー」を見て
そこからはまって、次の「ちゅらさん」で完全にはまって、
それからずっと欠かす事なく各ドラマを見ています。
朝見れない時は留守録しておいて、帰宅してから見ています。

ゲゲゲの女房」、「あまちゃん」、「あさが来た」は面白かったです。
逆に、「純と愛」、「まれ」なんかはクッソつまんなかったですね。

 

さて、現在の朝ドラ「半分、青い。」に、トヨエツこと豊川悦司さんが出ています。
雰囲気があっていい役者さんですね。


前置きがやや長くなりましたが、今回紹介するのは、その豊川悦司さんモノ。
但し、曲ではなく朗読ものです。
雑誌ananの2008年8/6号の付録のCD、「イタリアのしつらい」です。

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ちなみにそのananの特集記事、「SEXで恋はもっとときめく!」。
はい、SEX特集の号でした。
という訳で、このCD、藤代冥砂さんという方が作った官能小説を
豊川さんが朗読するというもの

 

豊川さん、あの低い声で淡々と読んでいる訳ですが、
とにかくエロい!
いやぁ、何人の女性(そっちの男性も)が股間を濡らしたのでしょうね?

 

Youtubeに一部アップされてたので、あとは各自で楽しんで下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=x7QKTtKcdFw

 


豊川さんが真面目に朗読すればするほど、僕は笑ってしまいます。
トヨエツ、仕事選べ!(笑)

 

っていうか、無名時代ならまだしも、有名になってから
こんな仕事引き受けるのですから、豊川さんの懐の深さを感じました。

摩訶レコード:母ちゃんにしかられた

今回紹介するのは、「母ちゃんにしかられた」という曲で、
歌っているのは三矢恵子とチャッピーズです。

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三矢さんがどのような方なのかは詳しく存じ上げませんが、
演歌歌手のようですね。
やきとりソング」なるレコードも出してますね。

チャッピーズは4人の女の子達からなるグループでしょうか。

このレコードがリリースされたのは1972年の12月。
岩城健治さん作詞、水上勉さん作曲となっています。

曲調は、”しかられた”と謳っているものの、
しんみりとしたものではなく、明るめな感じの歌謡曲ですね。


パパタンメロメロ ママタンカリカ
ヘンチュン チュンチュン
メロメロメロメロ ワワワワ ワァ

このような謎フレーズから歌は始まります。


酒飲んで 酔っ払って くだ巻いて 帰ったら
母ちゃんにしかられた
母ちゃんは強いぞ 母ちゃんは怖い
母ちゃんが角出した
それでも母ちゃんは 冷めた味噌汁温めて
一緒に食べてくれたのさ
酒飲んで 酔っ払って くだ巻いて 帰ったら
母ちゃんにしかられた

 

以上が一番の歌詞。
三矢さんの歌い方は、どことなく”ぶっきらぼう”というか、
例えば「酒飲んで 酔っ払って」の部分なんかは、
『さぁけのんで よぉっぱらって』って感じで、
わざと男性(父親)の気分になって歌っているように感じます。


マンガを読んでも テレビを見ても
父ちゃんは怒らない
母ちゃんは美人で かっこいいけど
とっても厳しいんだ
勉強しなければ 偉い人にはなれないって
ウルトラマンも見せないんだよ
学校さぼってガメラをみたら
ママゴンにしかられた

 

これが二番の歌詞で、チャッピーズが歌っています。
ウルトラマンガメラが出てくるあたりは、
やはり時代を反映していますね。


三番は、一番の歌詞をちょっと変えて、三矢さんとチャッピーズが
一緒に歌っています。

最後に、チャッピーズの一人の

アッ 父ちゃんがしかられてる
僕 もう 寝よう

という台詞で締めます。

 

50~60年代だと、まだまだ家庭の中では父親が絶対的な権力の持ち主で、
父親に文句言ったりする事ってまだまだそうそう許されなかったと想像します。
そういう事では、母親が家庭の中で権力を徐々に持ち始めた70年代の
日本の一般的な家庭の風景が目に浮かぶような一曲だと思いますね。

摩訶レコード:柔道讃歌

今回は、高野けんじという方の「柔道讃歌」という曲を紹介します。

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見事な角刈り&ばっちりカメラ目線。

 

「さっちゃん江」というサインがあります。
断っておきますが、巡り巡って僕の手元に来たレコードで、
僕=さっちゃんでは無いので、あしからず。

自主製作盤かな?と思いましたが、東芝EMI株式会社からのリリース。

作詞と作曲は牧伸太郎という方です。

曲調は村田英雄さんが歌っていそうな勇壮な演歌でした。

歌詞を一部抜き出しますが、


負けちゃならない 男の意地が
痛さこらえて 立ち上がる
痛めた足を ひきずりながら
八間四方の 青畳
乾坤一擲(けんこん いってき) 大内狩り

金のメダルに 希望(のぞみ)をかけた
モスクワ五輪の 夢きえて
修行でたえた 四年の月日
あげた日の丸 晴舞台
男涙の 横四方


とまぁ、歌詞の内容で判りますが、国民栄誉賞も受賞された
山下泰裕さんの事を歌った内容ですね。

で、普通ならこれで終わる所ですが、現在はネット社会なので
色々調べる事ができます。
ちょっと調べてみたら、ある方の面白いブログが出てきました。
そこによると、このレコード、ジャケ違い(というのか?)があるようです。

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しかもそれ、山下さんの御結婚記念とあります。

山下さんが御結婚されたのが1986年。
僕の持っているレコードのサインの日付が昭和60年=1985年なので、
これは恐らく、高野さんが山下さんに御結婚のお祝いとして、
贈呈したものではないか?と、考えたのですが、実際の所は不明です。

 

そもそも高野けんじさん自体が何者なのか・・・

摩訶レコード:お嬢様ルンバ

以前、「元祖だんご4兄弟」の紹介の時に書きましたが、
大ヒット曲が出たり話題になる曲があったりすると、
それに乗っかったりマネしたりと、柳の下のドジョウを狙って
似たような曲を乱発する事は良くある傾向ですね。

今回紹介するのも、「元祖だんご4兄弟」とはタイプは異なるけど、思わず
やりやがったな!』と言わずにはいられない曲です。
加川明さんの「お嬢様ルンバ」という曲です。

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加川明さんを調べてみたのですが、元々は「スター誕生」の出身で
最初の歌手名は川崎公明(かわさき きみあき)。

その名前、僕は良く覚えていました。
というのは、日テレのオーディション番組「スター誕生」は、番組で合格して
レコードデビューした歌手を、一ヶ月くらいの間に集中的に出演させる、
という慣例みたいなものがありました。

川崎さんもその例により、デビュー曲の「ひとりにしてくれ」を
毎週のように歌っており、それを僕は嫌でも聞いて覚えてしまいました。

ひとりにしてくれ ひとりにしてくれ わいわい 言わないでくれ

という歌詞だったと思います。

その頃は『鉄砲玉かよ』っていうような男っぽさがありましたね。

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その後に紆余曲折あり、京壮亮(きょう まさあき)→加川明(かがわ あきら)と改名。
この「お嬢様ルンバ」は、加川明名義での3枚目のCDシングルです。

 

作詞が上田紅葉さん、作曲と編曲が馬飼野康二さん。

曲が始まった瞬間、『ん?これは・・・』と思いました。


台詞から曲は始まるのですが、

65歳以上のお嬢様 ご機嫌いかがでしょうか。
若返り党の 加川明でございます。
この高齢化社会を強く明るく生き抜く為には何よりも健康、
心と体の強化でございます!

 

これだけで7割方は『ん?これって、あの人の芸風・・・』と、ピンと来ます。


潤んだ瞳 魅力的なあなた
輝く金歯 乙女心は永遠
僕の目には 今も 今も あなた
憧れのプリンセス My Lady!

軽やかに ジジババ ルンバ お元気ルンバ
腰揺らし ビビンバ ルンバ お元気ルンバ
毎日!!
ラリルレ リリレロ ラリルレ リリレロ
踊りましょう
お嬢様 ルンバ


中間部にも台詞はあります。


お嬢様方どうぞ、今夜うちに帰ったら
ご亭主の手を強く強く握って下さい。
何を今更、なんて思っちゃいけません。
握力の強化訓練でございます。
強く握って離す・・・
(中略)
目の前にある物体を無駄なく有効活用してこそ
誠の夫婦愛でございます。


もうほとんどの方がお気付きだと思います。
思いっきり、綾小路きみまろさんの芸風に寄せてますね。
あははは、いいのかよ!
歌詞や曲を似せるんじゃなくて、歌い方というか芸を似せる方式。
なるほど!そういうやり方で来たか!って感心しました。

もし突っ込まれた場合、加川さん、
いや、きみまろさんは歌ってないけど、俺は歌ってるし!』って
しらばっくれるかなぁ?


とはいえ、僕も思いました。
川崎公明時代から演歌一筋で約30年の加川さん。
いや、多分これは加川さんが本心ではやりたい事じゃない。
本当は歌いたくはないんだろうけど、レコード会社との
大人の事情とかで、こんな格好して渋々歌っているんだ・・・』と。

ところがカップリング曲を見て仰天。

 

町内のしきりババア
作詞作曲:加川明

 

加川さんの渾身の歌詞がこちら

 

自転車のケツに箱を付けて町内を走り回る
誰が名付けたか どこから来るのか
町内のしきりババア
髪は逆立ち顔は黒ずみ 化粧など似合わない
もんぺズボンがとにかく似合うよ
町内のしきりババア
(中略)
自転車こぎこぎ鼻歌まじりの
町内のしきりババア

 


ノリノリじゃねーか!!

 


本人、事務所、レコード会社の願い叶わず、
残念ながら大ヒットには恵まれませんでした。
これに懲りたのか、再び演歌路線に戻ったようですね。

そんな加川さん、来年でプロ歌手生活40周年を迎えます。
なんとかひと花咲かせて頂きたいものです。

摩訶レコード:OH!新鮮娘

今回は、新井薫子さんの「OH!新鮮娘」という曲を紹介します。

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堀越高校卒業で1982年デビュー。
所謂「花の82年組」。アイドル大豊作の年。
中森明菜さんや小泉今日子さんらと同期です。

ところが正統派のアイドルが故に多くの個性的な強敵の中に埋もれ、目立てず。
シングル4曲目で、麻丘めぐみさんの「私の彼は左きき」をカバーするものの
これもヒットには恵まれませんでした。

しかし続く5曲目の「大和撫子“春”咲きます」で、急遽路線変更をします。
これが1983年の2月。
同じ大和撫子というワードが付く小泉今日子さんの
ヤマトナデシコ七変化」よりもリリースは早いんですよ。
彼女の中で確実に何かが変わった、という感覚。
続くシングルでの覚醒の片鱗を垣間見る事ができ、期待に胸が膨らみます。

そして6曲目のシングルこそが「OH!新鮮娘」。
髪を切り変なパーマをかけて心機一転、という印象。
新井さん、いよいよ解脱あるいは達観!という感じがします。

作詞が岩里祐穂さん。作曲が岩里未央さん。
ご姉妹かな?
編曲が見岳章さん。

曲調はジューシーフルーツ的なシンセポップという感じを受けます。

歌詞が独特な世界観というか、『何を言わんとしてるのか?』という
謎歌詞で、僕のような凡人には理解不能


私は あなたの 新鮮娘!

七夕、蝉時雨、噂の夏です
海辺じゃ おひさまも 橙色です
う、う、浮気な
あ、あ、あなたを
きょ、きょ、今日こそ
アッ!と言わせるぞ!

感激してね 大波小波に 今、衝撃的ダイビング
注目してね ピカピカボディー
そうよ 私はあなたの新鮮娘!

毎夜・毎朝 あなたのために
生まれ変わるの
新鮮!新鮮!新鮮!
新鮮!新鮮!新鮮!


新井さんの歌い方も特徴的で、やたらブリっ子というか甘ったるく、
さらに『敢えてヘタクソに歌ってるの?』と疑問符さえ出てくる歌唱方法です。
でも、この系譜は現代の一部アニソンあたりに受け継がれてるのかなぁ?と。


しかしこの曲、歌う程に徐々にですが確実に新井さんの身体を蝕んでいたようで
パンチドランカーならぬシングドランカーって具合なのか、
『燃えたよ、燃え尽きた・・・真っ白にな・・・』状態になってしまったようで、
(これは僕の勝手な想像です)
新井さん、この後しばらく活動を休止します。
結果、これが新井薫子名義での最後のシングルとなってしまいました。

1997年から活動再開。現在はKAORUCO、カオルコ等の名義で活動しているようですね。